生き物は環境の変化にどう適応し、また進化してきたのか?その謎をひもとき、持続可能な未来を創る、という意識を醸成することを目指します。ただ学ぶだけでなく“造形”を通じて肌感覚で感じます。また、グループでIPCC会議(温暖化に関する会議)の発言内容を準備するプロセスで、その背景にある共生・共進化・命の繋がり・・・といった要素をより深く理解していきます。
<第0回>
まずはじめに「進化」について、子どもたちから知っていることや、言葉から感じること・イメージなどを聞き出します。そしてダーウィンの進化論について簡単なレクチャーをした後は生き物を進化の順番に並べ替える「進化カード」に取り組みます。
<第1回>
進化を語る上で欠かせないことが「絶滅」。恐竜の絶滅はよく知られているが、実際はもっと規模の大きい大絶滅が何度も起きていた。進化と絶滅の繋がりを謎解きのように進めていきます。そして個々に「進化カレンダー」を作成し、整理していきます。
<第2回>
過去に起きた5回の絶滅は気候変動などが要因でした。しかし今、それらの絶滅のスピードをはるかに超える、6回目の大絶滅が発生しているのです。しかも、人間の手によって・・・!?人間の活動と気候変動の関係を解き明かしていきます。
<第3回>
地球温暖化をテーマに、人間の活動と気候変動の関係をさらに探究。現在人間が課題解決のために取り組んでいる「適応」と「緩和」について学びます。
また、後半では目線を変えて、人間が巻き起こす自然破壊に対し40年以上前から危険信号を発していた芸術家、岡本太郎を取り上げ、我々人間の立ち振る舞いについて考えていきます。
<第4回>
アウトプット発表。「いのvation!」のアウトプット内容は、現在、地球上に生きている動物が集まって温暖化について話し合い、人間に提言を行うサミット「いきものIPCC会議」を行うこととなりました。動物それぞれに言いたいことがある。それをセリフにして表現(セリフは色・形で感情を表現)します。
<第5~8回>
動物に「なりきる」ために、動物の造形に取り組みます。ipadを用いた3Dプリンタでのモデリング、粘土、折り紙、そしてレゴブロック、と4種類の表現方法で動物の姿を模していきます。併せて「ものづくりの今」についても学んでいきます。
<フィールドワーク>
サス学恒例のフィールドワーク。ipadを用いてモデリングをした動物を、東京大学「ものラボ」内の3Dプリンタで出力!予想以上の仕上がりに「おー」という歓声が上がります。東大生の皆さんによる東大キャンパスツアーにも出かけました。
<第9~12回>
フィールドワークを経て、いよいよアウトプットの準備も佳境。いかに自分の担当の動物に「なりきる」ことができるか。いま、生育環境がどういう状態で、そして人間にどうして欲しいのか。自ら知識を獲得しながら、まとめていきます。
<成果発表会>
保護者の皆様、学童保育部門の子どもたちを招いての成果発表会。前半はエリア(熱帯雨林、海、里山など)ごとにチームに分かれ、担当エリアの現状や課題を「動物目線」で訴えます。後半は「いきものIPCC会議」。”動物役”の子どもたちと”人間役”の大人たちが、お互いが納得できる解を導き出すための白熱した議論となりました。子どもたちの言葉や意見からは、担当の動物役になりきり、「自分事」として取り組む頼もしい姿がありました。
「サス学」は、ネクスファでの実践に留まらず、今後以下のような展開を企画・検討しています。
・三井物産「サス学」アカデミー(一般参加者の参加が可能)の開催
・「オンラインサス学(仮称)」(思考力や表現力を培い、創造性を高められるプログラム)を新設する予定
詳しくは本WEBサイトや「サス学」アカデミーmagazine等で案内させて頂きます。